●弱視用メガネの保険適用

平成18年4月1日から、『9歳未満の子どもが使用する「弱視、斜視、先天性白内障術後」等の治療に必要だと医師が判断し処方した眼鏡やコンタクトレンズ』に、保険が適用されるようになりましたね。
これは、全国の弱視、斜視、先天性白内障のお子さんを持つ保護者が、時間をかけて運動された成果だと思います。

インターネットが一般に浸透し始めた頃から、お子さんの弱視や斜視の治療・訓練の成果をサイトで公開し、同様の悩みを持つ方々との交流をはかり、全国ネットを駆使して活動をすすめていらっしゃいました。
その成果はご自分のお子さん方には適用されないにもかかわらず、これから同じような悩みを持つであろう保護者の負担を少しでも減らすために、頑張ってこられたのだと思います。
この長年のボランティア活動には、本当に頭が下がります。

先日、長男が眼鏡を作り直すので、矢沢眼科へ視力検査に行きました。
そのとき、矢沢先生に、
「今年から、弱視の眼鏡が保険で作れるようになったんだよ。君たちの頃は、眼鏡代も大変だったけど、これからは、楽になるよ。これも、君たちが頑張ったおかげなんだよ。」
と言われたそうです。
保険適用の活動には、何のお手伝いもできなかったのですが、弱視訓練をちゃんとやり通し、眼鏡の効果を証明できたということは、多少の影響を及ぼしているのでしょうか。

かつて長男は、二~三ヶ月おきに通って検査をしていたのに、今では、眼鏡を作り直す一~二年おきにしか行ってません。
しかも、作った眼鏡も常用はせず、勉強の時にしかかけません。(ほとんど必要ないのでは・・・)
ほかの家族全員が、コンタクトや眼鏡なしでは何もできないというのに、眼鏡なしで平気でテレビを見たりしています。
極度の近視や乱視がある娘達は、加工なしでは作れない分厚いレンズの眼鏡なので、
「一人だけ良くなって、ズルイ!」
と言ってます。
早期発見ができて、的確な治療を受けられたから、今の結果があるのであって、この幸運がなければ、ズルイどころの状況ではなかったでしょう。

弱視への認識は、まだまだ一般的に浸透しているとは言えません。
弱視を知らないために、発見が遅れる子どもが、まだたくさんいます。
これから弱視訓練をされるお子さんをお持ちの保護者は、早期発見され、訓練できることをラッキーだと思ってください。
そして、できるだけ多くの周囲の人々に、弱視についての知識を広めてほしいと思います。
それは、自分の子どもの訓練に協力してもらえる環境を作ります。
これから生まれてくる弱視の子ども達に、発見しやすい環境も作ります。
それが、保険で眼鏡を作れるようにしてくださった方々への、恩返しにもつながると思います。

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●メガネが弱視を治す

子どもの目の相談で多いのが、
「子どもにメガネをかけるように言われたけれど、どうしてもかけないとダメでしょうか?」
という質問です。
子どもにメガネはかわいそう、いじめられそう、かわいくなくなる、など保護者の心配もわかります。
私自身、自分がメガネをかけていても、三歳からメガネなんて、と最初は思いましたから。
親が視力が良くて、メガネに縁がなければ、余計抵抗は大きいでしょう。
また、メガネのことでいじめられたり、コンプレックスを持っていた保護者も、抵抗感が強いようです。

けれど、子どもにメガネは必要です。特に、薬や手術で治せない弱視の場合、メガネは薬に代わる唯一の治療手段です。
メガネをかけることで、鮮明な広く明るい世界に住むことができ、そこから得られる情報量は、ぼんやりした世界とは大違いです。
うちの長男は、生まれてからメガネをかけるまで、男の子のわりに大人しくて、扱いやすい楽な子どもでした。
よく転ぶから、運動神経がにぶくて、動き回るのが苦手なのだろう、と勘違いしてました。
でも実際は、見える世界がぼんやりとして狭いため、好奇心が刺激されてなかっただけのようです。

子どもは、いろんな物を見て、興味を持って、見に行ったり、触ってみたり、いたずらしたり、大人から見れば落ち着きがない、と思える行動によって、いろんな情報を得て、体全体でいろんなことを覚えていくのです。
大人が面倒だから、鬱陶しいからなどと、子どもの好奇心を抑え込んだり、大人の言うことを聞く大人しい子がよい子だと思ったりするのは、間違っています。
いろんな刺激を受けることで、体の機能も、脳も発達していくのですから、大人は、子どもの好奇心を尊重し、興味を引き出してあげる必要があると思います。

弱視の子の場合は、メガネが一番必要です。
メガネをかけることで、最初は良く見えませんが、次第に視力が発達し、見える世界が広がっていき、興味を持てるものが見つかるようになります。
足元もはっきり見え、遠くもはっきり見えるようになれば、動き回るのも自由自在になります。
大人しかった子が、走り回るのが得意になって、びっくりさせられたりします。
本は好きでないのかと思っていたら、実は本好きだったりもします。今までは、絵がはっきり見えていなかったために、じっと本を見ることができなかっただけなのかもしれません。

弱視と診断され、メガネが必要と言われたら、すぐにメガネを作ってあげてください。
弱視でない近視や乱視の場合は、学校の授業で必要な時にかければ良いと言われるかもしれません。
それでも、子どもの発達のためには、はっきり遠くまで見えた方が有利ですから、できるだけ早くメガネをかけさせた方が良いと思います。
人間は、情報の90%を目から得ていると言われます。
その情報を、最大限得られるようにするか、半分以下にするかを左右するのが、メガネです。

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